第10回「スーパーな作戦会議!」
2013/10/16
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前回までのあらすじ
90年代初期、広島県呉市の小さな小学校。
タツヤとケンを全校生徒の前でブチ回したノギマ先生は、
壊れたメガネをセロテープで補強していた事が判明。
その事実を知り、逆恨みも甚だしい、タツヤ達の逆襲が始まる!?
--------------▼以下、本文--------------
3時間目の後に10分だけトイレ休憩がある。
「大休憩」にサッカーをしていたメンバーのうち、
タツヤの企画に賛同出来るものだけが、
5年2組に集まり作戦会議を行った。
タツヤとケンの他に、スミオ、コウジ、シキさんの3人を加え、
急きょ収集された放送委員のイッシャン。
※音楽の教科書 おもしろ落書き 選手権 覇者→第5回「それぞれの大休憩」参照!
以上の6名で本日決行する作戦の役割分担、進行状況など細かい整理を行った。
--------------▼コウジ紹介文--------------
背が高く、朝礼の時、後ろの方へ配置されているため、
タツヤやケンと行動を共にする事も多いが、
先生達の前では存在感が薄く、なぜか怒られない。
-------------▼シキさん紹介文-------------
体格は学年でも最大級だが、とても温厚で心優しい。
その落ち着いた性格からか、
同級生からも「さん」付けで呼ばれている。
意外と図々しい一面があるらしく、
一部で「ズーズシキさん」と呼ばれる事もある。(らしい)
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再びチャイムが鳴り仲間達はそれぞれの教室、それぞれの席へと散って行った。
「タツヤくん、なんの話をしていたんですか?」
先生が授業を開始するまでのわずかな時間を利用して、
一人の女子が話しかけてきた。
「う?」
天敵のカノウさんだ。
------------▼カノウさん紹介文------------
我がクラスのチクり魔。チクるの(告げ口)大好き少女!
1年生の時から何度も何度も、タツヤを付け狙い、
他の生徒達が見守る教室で幾度となく
血祭りに上げられてきた最悪最強の相手だ。
その個人攻撃が、恋愛感情によるモノではない事だけは、
小学生ながらタツヤにもわかっていた。
※一言で言うと「嫌い!」って事
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「ああ、寄り合いよ。寄り合い」
「寄り合いって何ですか?」
「まあまあ、辞書でも引きんさいや(辞書でも引きなよ)」
「絶対、なんか悪い事考えよーるじゃろ?」
「ブルブルブルブル。」
タツヤは少しふざけて唇と首を横へ振った。
「なんかあったら先生に言うちゃるけんね~(言うからね)」
先生にチクりたいのなら好きにすればいい、
ただ僕らはまだ何も悪い事などしていない。
そう、これからするのだから!笑
※↑バカでしょ?
ただ、仲間達による決死の覚悟だけは無駄にされないよう、
軽率な発言も慎まなければならないのだ。
「ほんまに、何もないよ。(本当に、何もないよ!)」
嫌いな相手に精一杯の愛想をして、タツヤが言った。
「ほんまに~?(本当に?)」
カノウさんは全く信用していない顔でその場を去った。
その時、チャイムが鳴り、
「や~れ、行った、行った~♪(キンコ~ンカンコ~ン)」
と、タツヤは心の中では打ち合わせた。
【次回に続く】
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