第8回「戦闘力を計測出来ないスカウター」
- 2013/10/03
- 16:29

前回までのあらすじ
90年代初期、広島県呉市の小さな小学校。
ケンは男子トイレ「大の個室」に漫画を描くバボを発見。
遂に世界に残された唯一の謎?に迫る。
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「ノギマ先生のメガネがおかしかったんよ~(面白かったんだ)」
そう世界に残された最後の謎について、バボはあっさりと答えた。
※大げさな表現でゴメンなさいね(笑)
「ノギマのメガネ?」
「うん、壊れたメガネをセロテープで補強しとるんよ(してるんだ)」
「なーにー?まーだ、あのメガネを使いよるんか?(使ってるのか?)」
あれは、いつの日の事だったろうか。
--------------少し前のある日--------------
生徒達が運動場で体育の授業を受けていた時の事だった。
授業とは関係なく、上機嫌に自転車をこいでいたノギマ先生。
そう僕らの方へニコニコと笑みを飛ばしながら…。
突然、木の枝か何かが引っかったのか、
前の車輪が止まってしまい、体が空中を浮遊したかと思うと、
トレードマークの眼鏡と共に一回転、
背中から地面に叩きつけられる事件に見舞われた。
運良く、体の方はかすり傷程度で済み、大事には至らなかったのだが、
自慢の眼鏡は、眉間のところで奇麗サッパリ二つに割れてしまったのだ。
こうなってしまった眼鏡はもはや、
戦闘力を測定できないドラゴンボールのスカウターだ。

いずれも、これは当時、多くの生徒達の間で広まり、
おおいにネタとされてきた事件だった。
「なるほどそれで、笑いよーたんか(笑っていたのか)」
「しかも昨日怒られた時、人の目を見て話せとか言うんじゃもん。ぷぷぷ」
「目見たら笑いが出るわ。ぷぷぷ」
「そりゃ、ハマったらキツそうじゃのー。(キツそうだな)」
「それより・・・あっ!」
ケンは思い出した。
この真実を光よりも早くタツヤに伝えなければならない事を。
残りの「大休憩」もあまり時間がない。
「バボ、さんきゅ。とりあえず、ちょっと行くわ!」
そう言い残し、そそくさに男子トイレを後にした。
【次回へ続く】
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